フィナステリドと性機能障害の関連性なし

フィナステリド(®︎プロペシア)は男性型脱毛症に対して最も使用されている5α-還元酵素阻害薬です。男性型脱毛症の内服薬を服用すると性機能が減弱するという噂は絶えません。

フィナステリドに関してその噂を否定する論文は多くあります。

そのうちの一つの論文を紹介します。

内容は下記です。

背景:男性型脱毛症 (AGA) の男性におけるフィナステリドの使用に関連する性機能障害の副作用の発生は、公表されているよりも少ないと考えられています。人口ベースのコントロールでフィナステリド使用者の性機能障害を調査する必要があります。

目的:フィナステリドを使用している、またはフィナステリドを使用していない男性の性機能障害の存在を評価すること。

方法:何らかの理由で皮膚科医の診療所を訪れた成人男性は、フィナステリドの使用の有無にかかわらず性的機能障害の存在を評価するために、アリゾナ性的経験尺度 (ASEX) の修正版を含む調査を完了するよう求められました。

結果: 18 歳から 82 歳までの 762 人の男性からのデータが収集されました。663 人のフィナステリド使用者と 99 人の非フィナステリド使用者です。ASEX を使用した性機能障害の報告において、フィナステリド使用者と非使用者コントロールの間に有意差はありませんでした。回帰分析は、フィナステリドの使用ではなく、性欲減退と性的能力の低下を自己申告することが、より高い ASEX スコアを予測することを示しました。

結論:フィナステリドの使用は、AGA の男性に性機能障害をもたらすことはありません。これらのデータは、他の大規模な調査ベースの対照研究と一致しています。

引用文献

Haber, Robert S., et al. “Finasteride for androgenetic alopecia is not associated with sexual dysfunction: a survey‐based, single‐centre, controlled study.” Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology 33.7 (2019): 1393-1397.

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