昔から円形脱毛症は自己免疫反応であり原因の一つとしてストレスが知られています。
AGA(男性型脱毛症)に関してはストレスの関与は少なく、DHT(ジヒドロテストステロン)の影響がほとんどであると言われてきました。
最近natureに動物実験において慢性的なストレスによるステロイドホルモンが毛包の成長期への侵入を阻害する可能性を示した論文が掲載されました。
禿髪のメカニズムの一助となる大切な知見だと思いました。
内容は以下
幹細胞は、内因性調節因子およびニッチからの外因性シグナルによって調整されます。
ただし、全身の要因が幹細胞の行動を調節して組織の再生と多様な身体の変化を結びつける方法はよくわかっていません。
全身の変化と幹細胞の挙動を結びつけるメカニズムを理解するために、HFSCに対する慢性ストレスの影響を幹細胞は、内因性調節因子およびニッチからの外因性シグナルによって調節されます。
ただし、全身の要因が幹細胞の行動を調節して組織の再生と多様な身体の変化を結びつける方法はよくわかっていません。
全身の変化と幹細胞の挙動を結びつけるメカニズムを理解するために、HFSCに対する慢性ストレスの影響を調べます。
毛包は休止期(休止期)と成長期(休止期)の間を循環します。HFSCは膨らみと毛髪胚芽に位置し、組織再生を開始するために一時的に増殖する初期の成長期を除いて静止しています。
慢性ストレスは、逸話的に人間の脱毛と関連しています。
ストレスシグナルは、副腎からのストレスホルモン(ヒトではコルチゾール、げっ歯類ではコルチコステロン)の放出を引き起こします。
マウスでの初期の研究では、コルチコステロンの受容体である糖質コルチコイド受容体(GR)を阻害するステロイドであるベタメタゾンの局所塗布が、毛包の成長期への侵入を阻害し、胚期でのGRの過剰発現が毛包の発育不全につながることが示されました。
対照的に、コルチコステロンの供給源を取り除く副腎摘出術は、ラット、ウサギ、ミンクの発毛を促進します。
これらの観察にもかかわらず、コルチコステロンが組織再生を調節する細胞および分子メカニズムは、ほとんど解明されていないままです。
参考文献
Choi, S., Zhang, B., Ma, S. et al. Corticosterone inhibits GAS6 to govern hair follicle stem-cell quiescence. Nature 592, 428–432 (2021). https://doi.org/10.1038/s41586-021-03417-2