フィナステリドの外用は近年注目されてきています。
臨床研究の報告は複数認められ、エビデンスは集まってきていますが動物モデルを使用した実験論文は極めて少ないです。
その中でも論文を発見したので共有します。
この論文は正直エビデンスレベルは決して高くないと私は思いますが、数少ない結果なので価値はあると考えました。
論文はフィナステリド外用というより、diantum capillus veneris Linn(イチョウシダ)に対してフォーカスしています。
テストステロン誘発脱毛の動物モデルに対する Adiantum Capillus veneris Linn の効果
男性型脱毛症は、男性の脱毛の最も一般的な形態です。
本研究は、Adiantum capillus-veneris Linn の調製物の発毛促進活性を評価するために設計されました。
(A. capillus-veneris) テストステロン誘発性脱毛症モデルを使用したアルビノ マウス。アルビノ マウスの 5 つのグループを調べた:
(A) テストステロン ソリューションのみ (n = 6)。
(B) テストステロン + フィナステリド溶液 (2%) (n=6);
(C) テストステロン + ビヒクル (n=6);
(D) テストステロン + A. capillus-veneris 溶液 (1%) (n=6);
(E) インタクト コントロール (n = 2、テストステロンなし)。
テストステロン 1.0 mg の皮下投与により、すべての介入群で脱毛症が誘発されました。
A. capillus-veneris 溶液を、それぞれのグループの動物の背中の皮膚に局所的に塗布しました。発毛は、毛包密度(毛包数/mm)および成長期/休止期比などのさまざまなパラメーターを介して、いくつかの皮膚切片の目視観察および組織学的研究によって評価されました。
21日後、テストステロンを投与された動物ではびまん性脱毛のパッチが見られましたが、
A. capillus-venerisで処理された動物は、テストステロンのみで処理された動物と比較して脱毛が少なかった.
A. capillus-veneris 投与群で観察された毛包密度は1.92 ± 0.47、テストステロン群の 1.05 ± 0.21 およびフィナステリド投与群の 2.05 ± 0.49 でした。
成長期/休止期の比率は A. capillus-veneris によって有意に影響を受け、それぞれテストステロンおよびフィナステリド治療群の 0.23 ± 0.03 および 1.12 ± 0.06 と比較して 0.92 ± 0.06 でした。
毛包密度がフィアステリド塗布群がコントロール群に対して有意に高いという結果でした。
まだ、フィナステリド塗布はFDAの承認を受けておらず安全とは言い切れません。今後臨床論文だけでなく、動物モデルを使用した実験が必要になってくると考えます。
参考文献
Noubarani M, Rostamkhani H, Erfan M, Kamalinejad M, Eskandari MR, Babaeian M, Salamzadeh J. Effect of Adiantum Capillus veneris Linn on an Animal Model of Testosterone-Induced Hair Loss. Iran J Pharm Res. 2014 Winter;13(Suppl):113-8. PMID: 24711836; PMCID: PMC3977060.