コンパートメント症候群では迅速な診断と筋膜切開などの治療が必要となります。
治療を開始するまでの時間はゴールデンアワーは6時間以内、すなわち筋肉コンパートメントの異常圧上昇が開始してから6時間以内に解除されなければ後遺症が残るということです。
その6時間という時間の根拠を示した実験論文を紹介します。
バックグラウンド
四肢コンパートメント症候群は、微小血管系が圧縮され、組織の灌流が損なわれる程度まで、筋肉コンパートメント内で腫れが発生した場合に発生します。この状態を治療しないと、広範囲にわたる組織の破壊と患肢の喪失につながる可能性があります。
メソッド
豚は、後肢の前部筋肉区画と脛骨の前面との間に挿入されたバルーンカテーテルを使用して、びまん性筋肉圧迫損傷を受けました。バルーンを生理食塩水で膨らませて、平均動脈圧よりも約 30 mmHg 高い持続的な筋肉内圧 (IMP) を生成しました。損傷後、IMP を最大 8 時間モニターしました。モニタリング期間の終わりに、前脛骨筋を採取し、損傷を調べた。
結果
6 時間の損傷を受けた 1 匹の動物は、埋め込まれた圧力変換器を外し、データ分析から除外されました。6時間の損傷を受けた他のすべての手足（n = 8）では、損傷後にIMPの有意な自発的増加が観察されました。6時間の損傷手足のすべての前脛骨筋も、広範な組織損傷を示しました。5 時間負傷した手足 ( n = 10) では、IMP の有意な増加を示したのは 3 つだけでした。この増加の大きさと持続時間は、6 時間の損傷後に見られるものと非常によく似ていました。組織の損傷は、6時間の損傷と比較して減少しました。
結論
ここで説明する損傷技術は、四肢コンパートメント症候群およびこの状態の進行に対する関連要因の影響を研究するための潜在的な有用なしきい値モデルを提供します。
引用文献
Kalns, John, et al. “Threshold model for extremity compartment syndrome in swine.” Journal of Surgical Research 167.1 (2011): e13-e19.
