頭部の外傷や脳外科手術により瘢痕が起こると脱毛が発生することがあります。
有毛部の瘢痕に対する治療はまだ確立されていません。本人にとってはとても大きな問題であり、内服薬による軽快させることは極めて困難です。
私はエキスパンダーによる治療、回転皮弁による治療、植毛手術による治療を全て経験してきました。
私自身は瘢痕組織に対する植毛手術は症例によっては有用な選択肢であると考えており、それを裏付けるシステマティックレビューを紹介します。
重要性:脱毛、または脱毛症は、皮膚科で最もよく見られる問題の 1 つです。瘢痕性脱毛症は、永続的な病気の進行を遅らせる効果が限られているため、特に有害であると考えられており、病変内および局所ステロイドや局所ミノキシジルなどの現在の治療法はほとんど効果がありません.
目的:毛髪移植は、進行した原発性瘢痕性脱毛症の治療オプションとして議論されています。この研究では、原発性瘢痕性脱毛症の治療オプションとしての毛髪移植の有効性をレビューしています。
エビデンス レビュー: 1960 年から現在までに出版された瘢痕性脱毛症と植毛に関する記事を特定するために、PubMed を使用して一次文献検索を実施しました。
調査結果:このレビューには、34 人の患者に関する 15 件の報告が含まれていました。26人の患者が中等度からポジティブなの結果を経験し、8人の患者がネガティブの結果または疾患の再発を経験しました。植毛手術のポジティブな結果は、中枢性遠心性瘢痕性脱毛症、線状強皮症、円盤状紅斑性狼瘡、偽性毛包炎、および禿髪性毛包炎の患者で報告されています。扁平苔癬および前頭葉線維化性脱毛症の患者では、ポジティブおよびネガティブの結果が観察されました。
結論と関連性：調査結果は、植毛手術が特定の原発性瘢痕性脱毛症の治療オプションと見なすことができることを示しています. ただし、肯定的な結果の出版バイアスが懸念されるため、データの解釈には注意が必要です。
引用
Ekelem, Chloe, Christine Pham, and Natasha Atanaskova Mesinkovska. “A systematic review of the outcome of hair transplantation in primary scarring alopecia.” Skin appendage disorders 5.2 (2019): 65-71.
